AIの下書きを「自分の文章」に仕上げる手順
AI表現・文章推敲コラム
今回は、AIに書かせた下書きを、自分の文章として仕上げるときの手順の話です。
AIに全部書かせると、内容はおおむね合っているのに、どこか他人の文章のまま残ります。
かといって最初から全部手で書くのは、せっかくの道具がもったいない。
「下書きはAI、仕上げは人」と割り切って、仕上げ側の手順を決めておくのが現実的な落としどころだと考えています。
先に役割分担を決める
前提として、AIと人の得意分野は分かれています。
- AIが得意なこと: 材料を集めて並べる、体裁を整える、抜け漏れなく網羅する
- 人が握るべきこと: 材料の取捨選択、話す順序、どこまで言い切るかの判断
完成した文章まで任せると、どの話題でも通用する平均的な文章に着地します。
逆に言えば、上の「人が握るべきこと」だけ取り返せば、下書きがAIでも自分の文章になります。
手順1: 事実の確認から入る
表現より先に、書かれている内容の確認です。
AIは文章の流れを優先して、細部の事実をそれらしく埋めてくることがあります。
数値、固有名詞、手順の前後関係は、自分が知っている事実と突き合わせて、確認できないものは削るか書き直します。
表現をどれだけ直しても、事実が違っていれば台無しなので、ここを最初に持ってきています。
手順2: 保険の言葉を削って言い切る
「〜と思われます」「場合によります」「一概には言えませんが」。
こうした逃げ道の表現が続くと、書き手の顔が見えなくなります。
全部を断定に変える必要はありません。
自分が確信している部分だけ選んで、そこは言い切る。
確信がない部分は、ぼかすのではなく「ここは未確認」と正直に書く方が、読み手には誠実に映ります。
手順3: 強調と形容を具体に置き換える
「大幅に改善」「非常に便利」のような形容は、中身がなくても書けてしまう表現です。
自分の体験にある具体へ置き換えます。
- 「大幅に時間短縮」→「30分かかっていた作業が5分になった」
- 「便利な機能」→「保存ボタンを押さなくても消えない」
置き換える具体が手元にないなら、その強調はそもそも書けないはずのもの、と判断できます。
手順4: 整いすぎた構成を崩す
AIの構成は几帳面です。
どの節も同じ長さ、要点はいつも3つ、見出しはきれいな対句。
整っていること自体は悪くないのですが、全部が揃うと型で書いた印象になります。
大事な節は長く、そうでもない節は2行で済ませる。
思い切って節ごと削る。
このデコボコが、人が書いた文章のリズムに近づけてくれます。
仕上げの検出は機械に、判断は自分で
最後に、AIっぽい表現が残っていないかの点検です。
目視でも拾えますが、自分が書いた(ことにする)文章は思い込みで読み飛ばしやすいので、機械的なチェックを一度挟むのが確実です。
当サイトのNingenizeは、AIが多用する表現を辞書照合で検出します。
ただし、検出された表現を全部消すのが正解ではありません。
文脈上その表現が最適なら、残す判断も当然あります。
拾うところまでが機械の仕事で、直すかどうかの判断は書き手の仕事です。
まとめ
AIの下書きを仕上げる手順を、事実確認→保険の言葉→強調の具体化→構成崩しの順で並べました。
慣れると1本あたり10分程度の作業。
この10分があるかないかで、読み手に最後まで届く文章かどうかが分かれてくるところです。
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